学長あいさつ

豊かな人生を創造するための学びを実践しましょう

愛国学園短期大学
学長 平尾 和子

●はじめに
わが国は、少子高齢化、価値観の多様化、雇用の流動化等によって、大きな変化を余儀なくされています。こうした中で、充実した豊かな人生を歩むためにはどのように計画や準備をすべきかがとても大切なことだと思います。
開学60年目を踏み出した愛国学園短期大学は、「社会人としては豊かな知識と技術とをもって経済的に独立し、家庭人としては美しい情操と強い奉仕心とをもって一家幸福の源泉となる、健全な精神とをそなえた女性の育成を目的とする」という学園の建学の精神ならびに校訓「親切正直」に則った女子教育に努めてまいりました。この建学の精神は、女性の社会進出に伴って、なお一層大切にしていきたい精神であり、豊かな人生を歩むための方法の一つと考えており、校訓は人として最も大事な精神と考えております。

●家政学で豊かな未来を創造
本学は家政科のみの単科の短期大学です。家政学とは耳慣れない言葉かもしれません。家政学の研究者が集う(一社)日本家政学会では「家政学とは、家庭生活を中心とした人間生活における人間と環境との相互作用について、人的・物的両面から、自然・社会・人文の諸科学を基盤として研究し、生活の向上とともに人類の福祉に貢献する実践的総合科学である。」と定義しており(家政学将来構想1984)、家政学の学習対象が、社会の状況やニーズに対応して変化していることが伺えます。現在は、個人や家庭生活などに限定されず地域や地球規模にまで広範囲になってきており、私たちの生活全てが「家政学」を基礎として成り立っています。
本学は、変化に対応する家政学の考え方と本学の建学の精神とを重ね合わせて、独自のカリキュラムを創造し、提供していきたいと考えております。生活に関わる全ての事柄を科学的に解析・理解し、実践することができれば、それぞれの人が考える充実した豊かな生活を、将来にわたって営むことができ、また職業などを通じて他者にも豊かな生活を提供していくことができるでしょう。

●変化する社会のニーズに応えるカリキュラムの構築
本学では、家政学に造詣が深く意欲に富んだ教員を配置し、少人数制を活かした教育方法を常に検討して実践することにより、自分の考えを述べるだけでなく、他者に配慮するコミュニケーション能力に富んだ人を輩出する教育をしております。両専攻ともに、社会においても家庭においても即座に役立つ知識・技術が身につく科目、教養やマナーを会得できる科目等を配備しており、加えて様々な資格が取得できる講座を開設してそのサポート体制を整えています。 
本学は、実践的総合科学である家政学教育により建学の精神を実現するために、今後も変化する社会のニーズに応えながら、学生の能力の向上を目指し、理論を実践する実験・実習・演習科目を重視した魅力ある科目によりカリキュラムを構成してまいります。

●「生活デザイン専攻」と「食物栄養専攻」で専門的に学ぶ実践的総合科学
本学家政科には、「生活デザイン専攻」と「食物栄養専攻」の2つの専攻があります。
「生活デザイン専攻」は、豊かで持続可能な生活を自らデザインし提案し実践できる社会人、家庭人を育成するコースです。学生個人の興味や目指す将来に応じて選択可能な「マイカリキュラム」を組み立て、衣・食・住や介護、福祉、家族関係などの生活に必要な知識と技能を学びます。各分野の理論と実習・演習などを併せて学ぶことにより、社会や家庭における生活を総合的にプロデュースできる人材を育成したいと考えています。
「食物栄養専攻」は、食・栄養を深く学び、人々の健康維持・増進に貢献する栄養士を目指すコースです。食材の理解と調理技術に長け、ニーズに合った献立を立案できる栄養士を輩出するカリキュラムを編成しており、理論を学んだあとに多くの実習・実験・演習を経験することにより実践力を養うことができます。

●ステイホーム(stay home)にも役立つ家政学
2020年に新型コロナウィルスの感染が世界規模で広がり、私たちも緊急事態宣言の下、テレワークや自宅待機を余儀なくされました。心に負担を抱えながら、家庭で家族仲良く豊かに過ごす方法を模索しなければならない状況の下、マスクを作ったり(衣)、食事を作ったり(食)、かたづけや植物やインテリアを考えたり(住)する仕事に手を動かして、幸せを感じたことはなかったでしょうか。「生活を豊かにする」知識や技能は、まさに家政学の範疇であり、理論と実験・実習を通して自ら学んだ知識や技能を活用すれば、それが家庭や職場での生活に潤いを与えることにつながります。これからも家庭での生活が重要になってきます。自分の手で生活を豊かにできるように、ぜひ家政学を学んで欲しいと思います。

●学ぼうと思ったその時が、チャンス!リスタートを応援します!
他の大学や短期大学、専門学校を卒業された方、社会復帰を考えている方にも、本学の魅力ある内容を学んでいただけるよう「社会人特別選抜制度」を用意しています。さらに、仕事の中で本学のカリキュラムを必要とされる方、あるいは他の仕事を続けながら学びたい方のためには、3~4年間かけて学ぶことができる「長期履修学生制度」もあります。これらの制度を利用して本学からリスタートされた卒業生も多くいらっしゃいます。
学ぶことに年齢制限はありません。学ぼうと思ったその時こそが、チャンスです。
本学のキャンパスライフを楽しみながら、家政学の知識と技術、人としての深い教養を身につけ、豊かな人生を創造する基盤を築きましょう。

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